愛されるアップデート文って何だろう?Wunderlist とUlysses の例を参考に考えてみた。

「様々なバグを修正しました」だけの素っ気ないアップデート文より、ちょっとお茶目なアップデート文を書くアプリが好きです。例えば、こんな。↓


- 200近いグループとフィルタアイコン:欲しかったでしょ。差し上げます。
- アイコンと言えば:新しいアイコンです!古い物は去り、新しい風が吹く!毛虫が美しい蝶に変わりました。お気に召せばいいのですが。サンキュー、Jono!
- 数え切れないほどのバグを修正。もっっとも顕著なものの1つはスペルチャックで、自動的に無効になったりしましぇん。すべてがきりりとスマートになっているはずです。
— Ulysses 2.0 (一部、加筆修正をしています)

これは、個人的に Markdown エディタの中で一番使いやすい「Ulysses」という Mac アプリ。これまでのアイコンやデザインを刷新して、見た目も OS X Yosemite に対応したフルリニューアルの際のアップデート文です。なんかバカにされているようでむかつくんだけど憎めない、そんなリニューアル文です。むしろ好きになっちゃう感じ。

このアプリのアプリのさらにすごいところは、アプリをダウンロードしたときに表示される「はじめに」というチュートリアル。その文章まで愛嬌があるんです。Google翻訳 ではない日本語特有のあたたかさが感じられて、さらに好きになります。この Ulysses の機能の魅力については、他のエントリーで詳しく紹介したいと思っています!

お目にかかれて光栄です! 今までこのはじめの部分を飛ばして、スクリーンに表示されているボタンをマニアックにクリックしていたでしょう。いいですよ、正直に言って。
— ## Ulysses for Mac へようこそ - 概要

続いて、タスク管理&メモアプリとして活用している「Wunderlist」。自分のアップデート文がよほど気に入ったのか、自身のアップデート文を自分で Togetter でまとめちゃっています。(ちゃっかり自分もまとめられてます)

→ Mac用Wunderlistのアプデ文、楽しんで頂けたでしょうか。

Wunderlistは知っています。みなさんがどれだけ必死にがんばってプロジェクトのToDoをこなしているかを。タスク完了時に鳴るあの音が、タスクを完了させる度にオフィス中で鳴り響いていることも。そんな多忙な中、うっかり「リストを削除」を押してしまった経験ありませんか?え?今、プロジェクト全部削除しちゃった?マジで?!というあの瞬間。混乱して自分自身に話しかけたり、リストの名前を呼んで「戻ってきて~」なんて言ってしまった経験。(中略) ほっと一息ついて仕事に戻りましょう。リストを元に戻した時に音は鳴らないのでご安心を!
— Wunderlist 3.2.1

Wunderlist への愛は以前書いたので、ぜひ見てみてください。


この2つのアプリのアップデート文で共通していることは、そのアプリの「中の人」の印象が強く出ていること。企業広報アカウントの火付け役の @NHK_PR さん然り、やらされてやっているのではなく、自分の企業・アプリが好きだから、「知ってほしい!使ってほしい!」と思ってもらえるようにあれこれ考えながら書いている印象があります。

よく読み返す記事「新人広報に伝授したい、教科書にはない5つのこと」の中に、心に残っている箇所があります。

ふと立ち止まって考えると、「会社」や「事業」には、形がありません。確かに存在するのは人の集団だけ。私がいて、仲間がいて、「私たち」の活動や意思の総体が、企業を形づくっています。もちろん声の大きさも活動量もそれぞれバラバラではあるけれど、「私たち」であるという気持ちはとても大事。人は「企業」と仲良くすることはできません。「企業の中の人」と接しているんです。
「私たち」という主語を積極的につかってみよう

企業とかアプリって、何も知らない状態だったら、無機質で冷たい印象。でも、中の人とコミュニケーションをしてみたら、きさくで話しやすくあたたかかったら、企業・アプリ自体の印象も変わるはず。「かっこつけるのではなく、親しみを覚えてもらう」そんな姿勢を中の人が見せているアップデート文が、愛されるアップデート文なのだと思っています。

 

自分は重度の Mac ユーザなのであまり iPhone は使わないのですが、iPhone のアップデート文でも「愛されアップデート文」がありそう!さっと確認した限りでは「freee」が当てはまりそう。あとは昔だけど「Zaim」も。こんな記事も教えてくれました。

→ 家計簿アプリ「Zaim」のバージョン5.1.4が披露しているトリビアが心底どうでもいいけど親しみを感じた

お茶なアップデート文って、外国のアプリが日本にローカライズされたものが多い気がするんですが、気のせいですかね?

Taichi Hirano